疲労骨折 【箱根駅伝】山梨学大、まさかの悪夢!オムワンバ、疲労骨折で棄権

疲労骨折
箱根駅伝山梨学大、まさかの悪夢!オムワンバ、疲労骨折で棄権

 ◆第90回東京箱根間往復大学駅伝競走箱根駅伝報知新聞社後援)第1日(2日、東京・大手町、読売新聞東京本社新社屋前―神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場入り口=5区間108・0キロ) 山梨学院大ケニア人留学生エノック・オムワンバ(2年)が右足ひ骨疲労骨折のため、2区の9・7キロ地点で棄権した。高速レースを引っ張ってきた外国人選手としては史上初の悪夢となった。

 大粒の涙が体を包んだ毛布に落ちた。オムワンバは一時搬送された戸塚中継所で運営スタッフに「来年、また戻ってこいよ」と声をかけられ、両目を真っ赤にした。

 初挑戦の前回は、同じ2区で12人抜きの快走を見せて区間2位。期待された今回は突然の痛みに襲われた。足を引きずりながら400メートルほど走ったが、最後は歩道に座り込んだ。午前9時36分、2区9・7キロで歴代15人目の棄権が決まった。横浜市内の病院で診察を受けた結果、右足腓(ひ)骨の疲労骨折と診断された。箱根の宿舎には車いすで戻った。

 箱根路を走った18人の外国人選手で初の棄権。山梨学院大では、1996年大会以来2度目の棄権となった。大手町から31・1キロは、02年大会の2区で棄権した法大・徳本一善の28・6キロに次ぐ、歴代2番目の短い距離でのリタイアとなった。

 スタートは快調に飛ばした。16位でタスキを受けて帝京大、中大、日大、法大、中央学院大を抜き、6キロまでに11位に浮上した。8キロ過ぎに異変が起きた。上田誠仁監督(54)が「左右の(足を出す)リズムがおかしかった」と気づいた。並走して確認すると、右足を引きずり始めたオムワンバが「走りたいけど、どうしよう」と不安を見せた。指揮官は続行不可能と判断した。

 1週間前、右ふくらはぎに違和感があったが、マッサージなどで回復したという。前日(1日)は1000メートルを2分35秒で調整するなど万全。全日本大学駅伝の最終区でD・キトニー(日大2年)に敗れて区間2位になったため「今度は絶対に頑張る」と気合を入れていた。

 来年、雪辱するしかない。「モグスさんの区間記録を更新して1番になりたい」。大先輩が09年大会で出した1時間6分4秒を超えることを目標にしている。上田監督は「来年に向け、もうスタートしている。彼は次に向けて努力できる選手」と復活を期待した。